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ヴィヴィアン 「執事の朝は早い……」 クリストファー 「………」 ヴィヴィアン 「好きで始めた仕事だから、 苦痛はないんですよ、と笑って答える」 クリストファー 「っ………」 ヴィヴィアン 「やっぱり一番嬉しいのは、 主よりお褒めの言葉をいただいた時ですね。 この時に執事としての誇りを感じます」 クリストファー 「……っ……」 ヴィヴィアン 「今日は、晩餐会の日。 彼はスケジュールを確認しつつ、 召使い達を動かしていく」 クリストファー 「んっ……鎖骨…くすぐったい……」 クリストファー 「…………」 クリストファー 「っ………!」 クリストファー 「えっ…ええええっ!?」 ヴィヴィアン 「やっと起きたか」 クリストファー 「ヴィ、ヴィヴィヴィ ヴィヴィアン様っ!!!??? え、なんでっ!!??」 ヴィヴィアン 「どこかの誰かさんが、 初日から寝坊をしたと聞いたので、 今日も寝坊をしてはいかんから、 起こしに来たという訳だ。おはよう」 クリストファー 「おおおおおおはようございますっ! でも、あのっ…えっ… どうして、そんな格好 なさってるんですかー!」 ヴィヴィアン 「起こしに来るといえば、メイドだろう。 どうだ、似合うか?」 クリストファー 「はい、それは、 その…とってもお似合い……です、が… そのっ…」 ヴィヴィアン 「その?」 クリストファー 「レディが、男の部屋に忍び込むって なんだか、その、あの… というか、鎖骨っ……」 ヴィヴィアン 「ああ。 綺麗だなと思って」 ヴィヴィアンはクリストファーの鎖骨を つんつんと指でつついた。 クリストファー 「ひゃっ!」 ヴィヴィアン 「いい骨格をしている。 特に、この辺りのラインが……」 端から中央にかけ浮かび上がっている クリストファーの鎖骨のラインを、 ヴィヴィアンは指でなぞる。 クリストファー 「あっ、あのっ……!!」 ヴィヴィアン 「んー?」 クリストファーの鎖骨の上を ヴィヴィアンの指が 楽しげに何度も往復している。 クリストファー 「えっ、えっと! そのっ…!! 男の部屋に忍び込んで、乗っかって 鎖骨弄んでって、そのっ…あのっ…! だって、その…それって…あ、あの…」 ヴィヴィアン 「このくらいのスキンシップは 合法だと思うが?」 クリストファー 「やっ、ちがっ、そのっ…!! お、俺が言いたいのはっ…!」 クリストファー 「あっ、やめてっ! む、胸、押しつけられてっ… あ、そのっ…柔らかいっ…ちがっ! うああっ!」 クリストファー 「えっとっ… レディがこんなっ…そのっ…! あっ、ああああ…あーっ!! にーちゃん、俺どうすればいいんだーっ!」 ヴィヴィアン 「この程度で何を狼狽えている。 ……ん…さては貴様……」 ヴィヴィアン 「童貞か」 クリストファー 「うわーーーーーんっ!!!」 ヴィヴィアン 「そうか。 だが、恥ずかしくないぞ。 誰だって、最初は……新品だ!」 クリストファー 「そっ…それ、慰めになってません!!」 ヴィヴィアン 「そうか、童貞」 クリストファー 「いやーーーっ!! やめてくださいーっ!」 ヴィヴィアン 「ははは。 八角とお揃いだ」 クリストファー 「え、八角も……て… 不思議狼と一緒にされるというのも、 なんだか切ないですっ…!!」 ヴィヴィアン 「そうか?」 ヴィヴィアンはまだ楽しそうに クリストファーの鎖骨に指を滑らせていた。 クリストファー 「……と、という…か… そんなに気に入ったんですか… 俺の鎖骨……」 ヴィヴィアン 「ああ、まあまあ」 鎖骨を滑っていたヴィヴィアンの指が くるくると円を描いたかと思うと、 不意にクリストファーの鼻先に伸ばされた。 そのままぴんっと、軽く鼻を弾く。 ヴィヴィアン 「それより、さっさと起きろ。 もういい時間だ。 エドリックも部屋の外で待っている」 クリストファー 「ええっ…! そんな… どうして、エドリックさん… 俺を助けてくれないのだろう…」 ヴィヴィアン 「主の楽しみを邪魔する従者がいるか」 クリストファー 「うっ…そうです…ね…」 ヴィヴィアン 「今日も、お前は一人で起きる事が 出来なかった。 罰として、1日、私がこの格好で お前のそばにいるからな」 クリストファー 「えっ……えええっ!」 ヴィヴィアン 「さあ、さっさと起きて、顔を洗え! 楽しい1日の始まりだ!」 クリストファー 「は、はいーっ!」