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ヴィヴィアン 「私達は、常に戦っている。 そう、今でもだ」 クリストファー 「じゃあ、夕べのあれはっ…!」 ヴィヴィアン 「そう。 夕べのあれも。ダウスの仕業だ。 あの程度はお遊びだが」 クリストファー 「あれで、お遊びって… 今までよく無事でしたね…」 ヴィヴィアン 「ふふ…… 無事、か… まあ、ある意味そうだな」 クリストファー 「……?」 ヴィヴィアン 「フィアリーリングはもう見たか?」 クリストファー 「はい、きのこですね。 見ました」 ヴィヴィアン 「あれが出揃うと、私の19の誕生日となる」 クリストファー 「はいっ…て…え…??」 ヴィヴィアン 「人の腹から生まれておらん私には、 誕生日が存在しない。 だが、フィアリーリングだけが 私の19の誕生日を知らせてくれる」 ヴィヴィアン 「私はその日に、0歳となる」 エドリック 「っ……」 クリストファー 「えっ……」 ヴィヴィアン 「フェニキアクスといってな。 私は19になったその日、 赤と青の熱を帯びぬ炎に包まれ、 赤ん坊になってしまうのだ」 ヴィヴィアン 「かれこれ、99回…かな」 クリストファー 「きゅっ………!!!!」 ヴィヴィアン 「そう。 私は99回、赤ん坊になっている。 今度で100回目だ」 クリストファー 「では、その…あの… オレと年が近いと思ってたんですがっ…!」 八角 「ふひゃひゃひゃひゃ! どっこい超年上って訳だ!」 ヴィヴィアン 「ちなみに八角もペチュニアも 見た目通りではない。 敬意を払うように。 特にペチュニアは誇り高いからな」 クリストファー 「…………」 ヴィヴィアン 「ああ、そうか。 もうやってしまっていたんだったな。 はははは」 クリストファー 「ううっ…すみません…」 ヴィヴィアン 「この町の住人は普段からお祭りや 賑やかな事が好きなので、 だいたいこの辺りという時に、 毎年、私の誕生日を祝ってくれる」 ヴィヴィアン 「その中でも明確にわかる 私が赤ん坊になってしまう前日は、 町の者達は、殊更、 盛大に祭を催してくれる」 ヴィヴィアン 「私は毎年のそれに応え、 もう何百年も前から、 主となる会場として、 この館の庭を提供している」 ヴィヴィアン 「私の復活を祝う祭のためか、 いつしか町の豊穣を祝う祭にもなっていてな。 この日を町中の者達が 楽しみにしているのだ」 ヴィヴィアン 「そこで…… クリストファー・ラッケンブース」 クリストファー 「はっ、はい!」 ヴィヴィアン 「私の誕生日の前夜祭の準備を取り仕切れ。 それが私がお前に与える、 執事になる資格を見るテストとしたい」 クリストファー 「えっ……俺が… そんな大役をですか?」 クリストファーはエドリックを見た。 エドリックは静かに頷いた。 クリストファー 「っ……わかりました! 俺、やってみます! よろしくお願いします!」