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2人を乗せた馬は、 少し早足で、森を駆けている。 ヴィヴィアン 「…………」 エドリック 「………」 普段なら、互いが黙っていても、 さほど苦しくはない。 だが、今は状況が違っていた。 それに耐えられなくなったエドリックが 先に口を開いた。 エドリック 「…どちらから参りましょうか…」 ヴィヴィアン 「………」 ヴィヴィアンは答えない。 エドリックの後ろで、足をぷらぷらさせ つまらなさそうに口をへの字にしている。 エドリック 「っ……」 しかたなく、エドリックは黙ったまま 出来るだけ景色がよさそうなところを、 ヴィヴィアンが好きそうな場所を選び 走っていた。 ヴィヴィアン 「……そんなに、いやか…」 エドリック 「えっ…」 ヴィヴィアン 「私がお前を魔法で括ったことが… そんなにいやなのか」 エドリック 「そんなっ…! 私は……」 エドリック 「むしろ、私が……」 エドリック 「貴女のことを、 貶めているではありませんか…」 ヴィヴィアン 「そんなことはない」 エドリック 「ですが……」 ヴィヴィアン 「私は嘘はつかん」 エドリック 「…わかって…おります…」